遠景
今週のお題「一番古い記憶」
幼稚園入園前、3歳ぐらいだと思います。
文化住宅に住んでいたのですが、
そこの風景を結構しっかり覚えています。
どれが一番古い記憶なのかは定かではありませんが、
日曜の夏の夕方、父と風呂あがりに大相撲中継を見ていたときのこと。
風邪を引いた妹に、母がクッキーサンドというアイスを買ってきたこと。
私には何もなかったこと。
私が風邪を引いたとき使った氷枕が、氷でゴロゴロしていたこと。
家の前の植え込みでダンゴムシをひたすら探していたこと。
近所の子の家に遊びに行ったとき、
牛乳パックでつくった車があって、その出来ばえにとても感心したこと。
住宅の階段を裏側からうんていの要領で登っていき、
途中で怖くなって、動けなくなって、
「お母さーん!」と泣いて、最後落ちたこと。
生協の牛乳を試飲して、余りに濃くて舌にカスカスが残って、
非常に不快だったこと。
夕飯のつけ合わせのキャベツがいつまでたっても飲み込めず、
ただただつらかったこと。
セーターのインディアンのアップリケ。
近所の池にいつも浮かんでいたヨーチンの茶色い容器。
成人後、結婚前に思い立って久しぶりここに行ってみて、
思っていたよりも住宅が小さいことに驚きました。
室内に入ることはもちろんできませんでしたが、
テーブルなどは見上げる形で記憶しているので、
やはり驚くんだろうなと思います。
たくさんの甘い記憶。
愛された記憶。
悲しかったり、怖かったり、楽しかったり、驚いたり。
自分の子どもたちは将来どのように今を思い起こすのでしょうね。
いつか、今のこの日常が遠景になる日が来るというのは、
本当に不思議な思いです。
大切にしようと思います。