aikoの「milk」
……何やねん。
「またaikoの話か」とか言うなや。
そうや、またaikoや!
黙って聞かんかい!
aiko-『milk』music video short version
今回は、何も情報入れんと感想書きます。
歌と、歌詞と、PVだけ見た。
だからへんてこなこと言うかもやけど、堪忍して。
aikoのディスコグラフィーを
さかのぼるように聞いていってる最中なので、
「milk」聞いてまず思ったのは、
「あれ?これ『信号』やん?」
でした。
ほぼ直感、思い込みだけで好きになって
……好きになったっていうか欲情して、
もっと言えばケダモノじみた、
理屈や理由や理性はゼロ、ことわり皆無な感じ。
くっそエロいわ……。
生ぬるくて、生臭くて、飲むと舌に粘こい何かが残るような、
冷蔵庫で冷やしたパック入りじゃない、
牛のお乳から搾ったところやなという感じがする「milk」。
「雪もミルクも霞む静かでスロウな真っ白い光に一緒になりたい」って、
これ、どう考えてもあの瞬間やん。
ほんで、歌のラストを聞く限りでは、多分やけど、
安定的な彼氏ほかして
ほぼ他人のようわからん男とやってもうてるし。
えげつないエロい。
でも、そんなもんかもなとも思う。
好きになるときは、ほんとに一瞬、
それこそ「瞬きの隙間で未来は変わる」。
かっさらわれたら、しゃーない。
こんなにもはばかることなく、
躊躇なく欲情について歌ってるのに、
ちゃんと上品やし、きれいでかっこいいんやからすごい。
これ、そのまま提供してもうたら
生臭くて飲まれへんでって思う。
じゃ、何でおいしくいただけるかってゆうたら、
なま物の臭みを消すには入念な下準備。
すっごい丁寧に慎重に言葉を紡ぎ編みこんであったりとか、
曲のクールでそっけない感じとか、
ふてこいaikoの歌声なんかで
「これでもか!!」とつくり上げられている世界感によって
絶妙に保たれてるなって感じる。
この歌って、
言葉では届かない、
というかそもそも言葉の世界からはみ出た、
不安定で凶暴なまでに正直な完全無欠の生生しい性欲を、
冷蔵庫で冷やしたように硬質に描き出す精緻な曲やと思った。
それにしても、
「安定なんか、
この突き動かされるような衝動をなかったことにするぐらいやったら、
瞬きの隙間に捨ててまえ!!!」
っていう、
aikoって恋の前ではつくづくロックなんやなぁって思った。